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海外で不妊治療を経験されて不成功だった方が、当クリニックに来て妊娠されました

全国の方々から電子メールで、今受けている治療に関する
問い合わせがしばしばあります。
また、海外も含めいろいろなところから
当クリニックに治療においでいただいております。

こちらでは、そんな遠方の方の治療、その後などを少し特集的に取り上げていこうと思います。

これまでに、アメリカでの顕微授精で2回不成功だった方が、平成11年11月に当クリニックの顕微授精で妊娠、出産されたケースを経験していますが、このたび、何と体外受精発祥の地、イギリスで顕微授精4回不成功の難治性の方が、私どもの顕微授精1回でめでたく妊娠されるケースを経験することができました。この事実は、今や日本の体外受精・顕微授精の技術が、世界でもトップレベルであることを示したと言ってよいと自負しています。

Sさん夫妻は、夫がイギリス人、妻が日本人の国際カップルで、現在イギリスにお住まいです。男性因子のため治療は顕微授精しかないと診断され、これまでイギリスで4回胚移植を受けられましたが、妊娠反応すら出ない状態でした。奥さんのお友達で京都に在住の方が、たまたま当クリニックのホームページを見られSさんご夫妻に紹介。私どもの所へ早速、電子メールでお問い合わせが来ました。

電子メールと郵便で、現地での治療経過や検査結果を4回ほどやりとりして、イギリスで1周期カウフマン療法をしていただき、そのあとご夫婦そろって2月に日本へ来られました。

当クリニックで簡単な血液検査を行い、ご主人は仕事のため、ひと足先にイギリスへ帰ってしまうので精子を凍結保存。奥様に対しては、ダブルテストでLHの異常な上昇と高プロラクチン血症が判明したため、カバサールを飲みながらもう1周期カウフマン療法を行いました。

LHの過剰な上昇はPCOを示すことから、GnRHa(ブセレキュア)のロングプロトコールとhMGの注射で排卵誘発をして超音波所見だけではなく血液検査の結果も合わせ慎重に採卵日を決定、採れた卵子に対して日本でも有数の経験を持つ当クリニックのエンブリオロジストが顕微授精を行い、さらに日本でも数台しかない人の受精卵専用の培養装置で胚盤胞まで培養を続け移植しました。そして4月、桜の咲く頃に妊娠反応が陽性となりました。現在、胎児の心拍も確認し順調に経過中です。

幸せいっぱいのご夫妻は今、お友達が当クリニックのホームページを教えてくれたことに感謝し、妻の母国、日本の顕微授精技術を誇りに思っておられます。
私どもも、少しでも多くの方々のお手伝いができることを喜ばしく、誇りに思い、治療の向上に日夜努めております。

Sさんのその後...

Sさんの妊娠は、実は双子だったのです。途中まで妊婦健診を当クリニックで受けられ、その後イギリスへ帰国して出産される予定でしたが、妊娠30週頃から切迫早産の症状が出始め大事をとって帰国を中止されました。妊娠35週には切迫早産の状態がさらに進行したため、当クリニックへ入院され安静と早産予防のおくすりを続け11月中旬、高年初産でもありましたため予定帝王切開で無事双子の赤ちゃんを出産されました。退院後も順調に経過して赤ちゃんもすくすくと育ち、産後2か月ほどでイギリスへ帰国されました。

Sさんが妊娠された記事をご覧になられたイギリス在住のIさんから、電子メールで問い合わせがありました。Iさんは京都の山科区のご出身で39歳、Sさんと同じくイギリス人の男性と結婚し、2年前から現地で不妊治療を受けていました。実は、ご主人は以前にパイプカットの手術を受けていたため無精子症で、通常の方法では妊娠できないことから、他人の精子を用いた人工授精(AID)を5回チャレンジするもまったく妊娠にいたりませんでした。

Sさんの時と同じく、電子メールで2、3回現地での治療経過や検査結果をやりとりして、平成17年10月、生理開始4日目にあわせて、まずはIさんご本人のみが当クリニックへ来られ、血液検査をしたところダブルテストでLHの過剰反応と、血中の男性ホルモン値が高いことが判明しました。また、クラミジアの抗体も陽性でしたので、滞在中に子宮卵管造影を行ったところ、右の卵管がつまっていることもわかりました。そこでIさんには、左からの排卵日をねらってイギリスでAIDを続けるか、夫に来日してもらい精巣もしくは精巣上体から精子をとって(TESE/MESA)当クリニックで顕微授精を行うかの、選択肢をお話し、ご夫婦で相談してもらうことにしました。

しばらくして、Iさんから連絡があり、「イギリスで他人の精子を用いた人工授精を続けるよりも日本で夫の精子を使った顕微授精にチャレンジしたい」とのお返事をいただきました。LHの過剰反応はPCOを示し、また男性ホルモンも高いことから顕微授精の前に2周期カウフマン療法を行い、2周期目からはメトフォルミン(メルビン)を併用し、GnRHaのロングプロトコールで卵巣を待機状態にして、ご主人の手術日から逆算してhMG注射を始める計画を立て、必要なお薬をお渡しして、一旦イギリスへ戻られました。

イギリスのIさんから連絡があり、6月の下旬に夫婦で日本へ来られ、夫も1か月間は滞在可能とのことでした。早速、以前から当クリニックと協力関係にあるO病院泌尿器科のK先生に連絡したところ、TESE/MESAの件をこころよく承諾してくださいました。

かくして、Iさん夫妻は6月末に来日され、ご主人の手術は7月中旬に決定、卵巣が待機状態であることを確認してhMG注射で排卵誘発を行い、”ご主人の精子”を用いて顕微授精をし、胚盤胞を1つ移植したところ何と双子を妊娠されました。妊娠12週まで当クリニックで経過をみて順調であることを確認してイギリスへ帰国され、翌年の3月にすこし早産でしたが無事双子を出産されました。

平成19年の10月に奥様の里帰りのため家族4人で日本へ来られた際に、私どものところにもお立ち寄りになられました。幸せいっぱいのIさんご夫妻と、また7か月ですがご主人に似たかわいい一卵性のお子様を見ていると、日ごろの診療の疲れもいっぺんになくなり、これからもまた頑張っていこうと思いました。

Hさんは中国生まれの方で35歳。平成8年ごろより日本で不妊治療を開始されましたが、なかなか妊娠に至りませんでした。平成12年に子宮卵管造影検査で両方の卵管が詰まっていることがわかり、卵管形成術を受けるも通らなかったため体外受精を勧められました。

その後中国へ渡り、平成15年に北京の有名病院で体外受精を受けましたが妊娠に至らず。日本へ再度来られ、平成16年に不妊治療で有名なK大病院で再び子宮卵管造影検査を受けるもやはり両方の卵管は詰まっていたため、同病院で体外受精を行いましたが妊娠することはできませんでした。

平成18年の7月に当クリニックを初診され、血液検査をしましたところプロラクチン(PRL)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、男性ホルモン(テストステロン)が軽度上昇していることが判明しました。軽度の高PRL血症に対してテルロンを、さらに軽度のTSH上昇に対してチラージンSをのんでもらい、卵管水腫(卵管が詰まって水ぶくれを起こした状態で着床不全や流産の原因になります)がないことを丹念に確認して1周期カウフマン療法を行い、テストステロンも少し高かったことから当クリニックの初回の体外受精はGnRHaのロングプロトコールを行なうことにしました。卵管が詰まってダメージを受けている方は、子宮にもどした受精卵が卵管の方へころがっても子宮へ運ばれず、卵管で着床して子宮外妊娠になることが時々あります。そこで私たちは子宮外妊娠をなるべく防ぐため、孵化しかけで着床寸前の状態になるまで胚盤胞を育ててからもどしました。そして10月にみごと1回目の顕微授精で妊娠されました。

Hさんは当クリニックで健診を受けられ妊娠経過も順調で、翌年の6月に元気な赤ちゃんを無事出産されました。

そのまま直ぐに体外受精をして妊娠される方もおられますが、卵子の質や着床に影響するさまざまなホルモンの異常を調べ一つ一つ治して、さらに綿密な計画を立てて慎重に体外受精を行ったことが妊娠につながったと思います。当クリニックではこれからもより丁寧な治療を心がけていきます。

北米大陸にお住まいのCさんは結婚8年の35歳、これまで現地のクリニックで人工授精を5回、GnRHaのロング法で体外受精を1回(3個採卵、1個受精、1個移植)受けられましたが妊娠に至りませんでした。先生はとても親切で設備も整っているのですが、体外受精までに血液検査と超音波検査がそれぞれたったの2回、検査結果もおしえてもらえず事務的な治療に不安とストレスを感じておられました。

Cさんが当クリニックのホームページをご覧になられ、電子メールで問い合わせがあったのが平成19年の春ごろでした。実はCさんは以前、子宮内膜症のため腹腔鏡で左の卵巣のう腫をとる手術を受けられています。メールと郵便で現地での治療経過や検査結果を教えてもらい、初夏の頃、生理周期の3日目に合わせて来日されました。手術と子宮内膜症のため卵巣の正常部分が減っているので、血液検査の結果は卵胞刺激ホルモン(FSH)がやや高く男性ホルモン(テストステロン)が低い状態で、しかも超音波検査では手術を受けた左の卵巣には、直径2cmのチョコレートのう腫が再発していました。また、左右両方の卵巣を合わせた小さな卵胞の数も4個と卵巣機能不全になる寸前の状態でした。FSHが高いことからカウフマン療法を1周期行い、卵巣を休ませて、テストステロン(女性の体内でも少量の男性ホルモンが分泌され、それが低過ぎても高過ぎても良い卵子ができません)が低いのでDHEAを少量(5mgの舌下錠で25mgのカプセルに相当を3日に1錠)のんでもらい、次の周期にGnRHaのショート法でしかもhMGの注射を少し多い目にして一気に排卵誘発を行いました。前周期のカウフマン療法を始めた時から、およその採卵時期が計算できますので、その時に合わせて1週間ほどご主人に来日してもらいました。

結果は7個採卵することができ、そのうち6個が成熟卵で6個とも受精し、採卵4日目には4個の桑実胚(細胞同士が融合して一塊となった状態で、受精卵の発育からすると4日目の標準です)ができました。そのうち2個を移植し、2個を凍結保存しました。

初診されてから2か月足らず、8月の上旬に、血液検査と尿検査でめでたく妊娠反応が出ました。Cさんは帰国を急がれていたため、妊娠7週までしか経過をみることができませんでしたが、平成20年の春、日本では桜が満開の頃に妊娠38週で無事出産された知らせが届きました。今は幸せ一杯で子育てに励んでおられます。

卵子の質に影響を与えるホルモンを、一つ一つしっかり調べて異常があれば補正し、個人個人の卵巣の予備能力に合わせた排卵誘発法を行なうことが、体外受精を成功させる重要な鍵となります。これからも、さらにテーラーメードな治療を行なって行きたいと思います。

Tさんはヨーロッパ(EU加盟の旧西側国)在住の38歳で、結婚されてから3年になります。夫の精子が少ないことから、これまで現地で顕微授精を4回(GnRHaのショート、ロングプロトコールのどちらも)受けるも妊娠されませんでした。受精卵のグレードは良いのですが細胞分裂の速度が少し遅い目、子宮筋腫があるものの10年前から大きさは変わらず妊娠の妨げにはなっていないとの事、またNK細胞活性などにも問題なく、現地の主治医も何が悪いのか、何故妊娠できないのか全く分からない状況でした。そんな時にTさんは、当クリニックで妊娠されたイギリスのSさんの記事を見られ、電子メールで問い合わせがありました。

二回ほどメールで質問事項にお答えしましたが、ご本人は2か月半、ご主人は2週間の滞在で果たして満足な治療ができるのか、またたとえ妊娠してもすぐに長時間のフライトで帰らなければならないので大丈夫だろうか、という不安で気持ちが揺れておられました。平成19年の冬、それでもTさんは日本に来られ、一大決心をして生理開始4日目に合わせて当クリニックを受診されました。
超音波検査と血液検査をしましたところ、子宮筋腫はメールで聞いていたより大きく直径約2.5cmで、子宮内膜を圧排するぎりぎりのところにありました。卵胞刺激ホルモン(FSH)は15と高く卵巣予備能力の低下と、高プロラクチン血症も認められました。さらに内診で子宮の後ろを押さえると痛みがあり、少し硬い抵抗を感じました。

子宮の後ろに圧痛と抵抗があることは子宮内膜症の存在が疑われ、また夫の来日まで2か月以上あることから、ダナゾール(子宮内膜症の飲み薬)をおよそ6週間のんでもらい、それに続いてGnRHaの皮下注射(リュープリン:1本の注射で点鼻薬およそ4週間分の作用があり、その間は卵胞が発育したり排卵しない)を打って卵巣を待機状態にしておき、夫の来日時期から逆算をしてhMGの注射で卵胞を育てて採卵・顕微授精を行う計画を立てました。

Tさんには、肝機能異常の副作用に注意しながら平成20年2月初旬までダナゾールをのんでもらい、続いてリュープリンの皮下注射を打って同時期より高プロラクチン血症に対してカバサールの内服を開始し、2月中旬に血液検査で卵巣が待機状態にあることと、プロラクチンが正常値を示していることを確認して、卵巣の予備能力が低下していたので多い目のhMG注射を連日打ちました。ご主人には滞在期間中2回精液を採ってもらいましたが、長旅の疲れと異国での緊張のためか、2回ともヨーロッパの時よりかなり悪い所見でした。しかし、卵胞の発育は超音波も血液のホルモン値も順調で、2月下旬に採卵、6個の成熟卵に対して顕微授精を行い5個が受精し、そのうち3個が採卵5日目に胚盤胞に成長しました。3個の胚盤胞のうち2個を子宮に移植しましたが、Tさん夫妻は用事があるため、妊娠判定を待たず採卵11日目に黄体補充のお薬を持って帰国されました。3月下旬にTさんから電子メールで連絡があり、現地の病院で診てもらったところ子宮内に胎のう(赤ちゃんの入った袋)が確認できた、とのことでした。さらに2か月経った時点で連絡をとりましたが、妊娠経過は順調だそうです。

ダナゾールは20年以上前からある子宮内膜症の薬ですが、毎日飲まなければいけないことや副作用の点から最近はあまり使われなくなりました。しかし、子宮内膜症に対する他の薬物療法に比べ内膜症の部分に対して直接効き目があり、さらに時々学会等で受精卵の着床を改善する働きがあるとも言われています。また、私自身はダゾールの弱い男性ホルモン作用が、卵子の質を良くする効果もあると考えます。 それから、超音波だけでなく、基本どおりにしっかりと内診で所見をとって治療計画を立てることが、やはり重要だと実感しました。 いずれにしましても、悩んだ末に思い切って日本での治療を決意されたTさんの勇気を讃えたいと思います。。

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